築120年の京町家でこだわりの料理を「ふく吉」
京町家にかかった上品な暖簾。
横には
店名「ふく吉」の表札と
”景観重要建造物
歴史的風致形成建造物
京都市”と書かれた銘板が。
古民家をリノベした店内。至る所、料理長のこだわりが詰まっています。
前には坪庭が見えますが、こちらの方も、改装される予定だとか。このままでもとても重厚で素晴らしい店内です。
この日も蒸し暑い京都で、シュワシュワの泡が喉を潤し、汗も引いてきます。
ビールが入っているのは120年前のオールドバカラだそうです。サイズ感も良く、とても持ちやすく、美味しさ倍増です。
夜のおまかせコース料理は27500円です。
★付きだし
手前はワタリガニの身です。向こうが、リンゴ、イチジクを吉野葛の餡で絡めています。
付きだしで、いきなりワタリガニが登場!蟹の旨味がたっぷり、そしてリンゴの食感も心地よく楽しめます。
★吸い物 松茸豆腐に青ゆずを細く千切りされたものがのっています。
松茸の風味と食感が秋を告げてくれます。
こちらのお店の器も素晴らしく、こちらの椀は300年前、お屋敷に置かれていたセットだそうです。
最初から最後まで、器も楽しめます。
★手前が明石の鯛、奥がメイチダイです。
右は結晶になっており、海水の塩、そして左は刺身用に醤油をブレンドされています。
どちらのお味でも楽しめる新鮮な鯛です。弾力があり、旨味が口に広がります。
★鰹の刺身
上には細かくカットされた玉ねぎとゴマがのっています。
器は唐津焼で、丸田宗彦作です。お料理の美味しさを器でも最大限生かしておられます。
★醴泉純米大吟醸(岐阜)
料理に合わせて出して頂きました。
口当たりのとても良い純米大吟醸です。まさに、品格のあるお酒です。
グラスは、オールドバカラです。ガラスの厚みも模様もお気に入り。本当、とことんこだわりのあるお店です。
★かまど炊き
ご飯が炊きあがったので、蓋を開けて見せてくれます。
★おにぎり
熱々ご飯をサクッと握ってくれます。ふんわりとしていてとても美味しいです。
★すじことスイカの奈良漬けを和えた一品でおにぎりを頂きます。
料理長がご飯とお酢を混ぜておられます。ご飯をまさに切っておられます。切る技にしばしうっとり。
★松茸のお浸し
松茸、菊菜、菊花、そして銀杏が飾られています。松葉に銀杏を通すのも難しそう!松茸のシャキシャキ食感が子気味よいです。
★アジの握り
半分に切り背開きの味、厚みもあり食べ応えがあります。
★マグロの大トロ
筋目をのけた所で柔らかくて甘くて蕩ける食感です。
★キス
キラキラしていて、かんきつ系も、ほのかに香る昆布ジメです。
★鰻のかば焼き
下はジャガイモとなめらかなゴボウペーストが敷かれています。鰻は関東風で蒸して焼かれているそうです。鰻は口の中でほどけていく感覚で旨!伏見唐辛子が添えてあります。
★鶴齢の雪室
新潟県のお酒です。ネーミングだけでもお酒の造り方と美味しさが伝わってきます。雪室に入れておられるのでしょうね!先ほどのお酒と言い、最高のお酒を提供されています。全てが最上級bestですね。
★イシカゲガイ
初めましてです。食感が良く、噛み応えがあります。こんなに美味しくいただける貝、下準備も大変だと思います。
★海老
甘味と厚みのあるエビ、美味しすぎます。
★のどぐろ
長崎ののどぐろだそうです。昆布ジメしたのを炙ってありとても香ばしくて脂がのり美味しいです。
★鱧のたまジメ
鱧の子(卵)だそうで、梅肉が入っていて、とても美味しいです。
★蝦夷ばふんうに
たっぷりのバフンウニ、ウニ大好きだから、口がほころびます。
穴子を焼いておられます。
★穴子の石焼
穴子を熊笹の上で石焼にされています。フックラ、そして心なしか、笹の香りも伝わってきます。塩をタレの2種、楽しませてくれます。
★かんぴょう巻(左)
中にはわさびも入り、かんぴょうが甘いだけでなく引き締まっていて美味しいです。
★玉子焼き(右)
上手く焼かれています。少し甘めでおやつ感覚で頂きます。
★お米のアイスクリーム
甘味がありますが、麹の甘みだそうです。普通のアイスクリームよりヒンヤリ感があります。提供するタイミングを計算し、アイスクリームが完成するそうです。全てにおいて、ベストの状態でおもてなし心が溢れていて、感動します。
★お茶
玉露だそうです。お茶1杯でも、力を抜かれていません。ベストの状態で提供してくれます。最上級の香り高い玉露、旨味を感じます。最後まで、心地よく最上級の美味しさを楽しませて頂きました。
お鮨の料理人さんです。職人さんなので、勿論厳しいと思いますが、とても奥の深いかたです。ご経歴が素晴らしすぎて、お話させて頂いて、とても勉強になりました。
こだわりの料理と器、そしてお酒、最高でした。ご馳走様でした。
約120年前の京町家、眼科医さんが住まれていたそうです。まだまだこだわりは、広がっていくそうです。
京都観光の際や、記念日などにお勧めのお店です。
■予約 : 075-432-0092
※完全予約制
■営業時間
お昼の営業:11:30~14:00(L.O.13:30)
夜の営業 :17:30~23:00(L.O.22:30)
■定休日:水曜日、第一・第三 木曜日